「本当の自分」って何?
カウンセリングでは、よく、
- 本当の自分が、わからないんです
- 本当の自分を知りたいんです
- 本当の自分を取り戻したいんです
こんな言葉をお聞きすることが、多いです。
ところで、
本当の自分
って、何でしょうか?
ちなみに、私には、本当の自分も、偽りの自分もありません。
ただ、「じゅん」という人間がいるだけです。
この「本当の自分」に囚われると、厄介で、
苦しみを新たに作り出す
ことになります。
なぜなら、結論を言えば、
●本当の自分
も
●偽りの自分
も、そんな区分けは無いからです。
つまり、
存在していない「本当の自分」
を追い求めることになるので、
いつまでたっても、得られることができないのですね。
これでは、生きづらさは増していきます。
では、なぜ人は、幻の「本当の自分」を追い求めようとするのでしょうか?
「本当の自分」の正体
上で「幻」と書いたように、
「本当の自分」とは
幻想にすぎません。
現実が嫌で
その現実から逃げ出したくて
何かすごく良いものがあるはずだ
という幻想です。
つまり、現実の状態や、現実の自分が嫌で、
そこから逃げたくて、
理想の「本当の自分」なるものを、
作り出そうとしているのですね。
ですから、「本当の自分」という言葉が思い浮かんだ時は、
現実否定・現実逃避
をしている時です。
現実を受け止められない時なのですね。
例えば、自分の意見をハッキリ言えず、
人の意見に、心ならずも従ってしまう。
そんな時、
「本当の自分は違うのに・・・」
と思ったりします。
でも、単に、
「人の言いなりになっている」
という現実や、
「意見を言えない自分」
という現実から、逃げたいだけなのですね。
「こんなはずじゃ、無いのに。
本当の自分は、しっかり自分の意見を持っているはずなのに」
こんな感じですね。
これは一例ですが、
- 生活全般が嫌だったり
- 物事が思い通りにいかなかったり
- 理想通りの自分になれない時
「本当の自分は・・・」
が出てくるということです。
現実を直視する
現実から逃げ、幻想を追い求めていても、
苦しさは無くなりません。
それどころか、苦しさは、どんどん、増していきます。
苦しさから解放され、楽になるには、
現実を直視し、受け止める
しかないのです。
例えば、思い通りに物事がいかないときも、
「仕方ない、これが現実なんだな」
と受け止め、その現実の中で、最善を尽くしたり、
良い面を見たりすることが大切なのですね。
自分自身の欠点が気になって、自己否定してしまう時も、
「しょうがない。
この欠点のある自分を、受け入れてみよう」
と、受容することが大切なのです。
ですから、「受け止める」は、
「仕方がないなあ、諦めるか」
といったニュアンスでもあります。
「諦める」
と聞くと、ネガティブに感じるかもしれませんが、
「諦める」の語源は
明らかになる
です。
つまり、諦めることで無理に頑張る必要が無くなり、
重荷を下ろせ、心や視野が広くなって、
現実をあるがままに、明らかに見られるようになる
ということですね。
明らかになる
↓
明らめる
↓
諦める
と変化したそうです。
ちなみに、「あきらめる」を漢字に変換すると、
ちゃんと
「明らめる」
が出てきますよ!
更に、自律神経の専門家の先生がおっしゃっていましたが、
諦めると、自律神経も整うことが、分かっているそうです。
ですから、その先生は、
「どんどん、諦めなさい、手ばなしなさい
そうすれば、健康になりますよ」
と、おっしゃっています。
さて、「本当の自分」について考えてしまう方、
いかがでしょうか。
現実を直視していますか?
それとも
現実から逃げようとしていませんか?
ぜひ、振り返ってみてくださいね。
さて、次回は
「自分なんて存在しない」
をテーマに、お送りしたいと思います。
本当の自分
どころか、実は
自分
というもの自体が、本質的には存在しないのです。
一体、どういうことか。
次回をお楽しみに~☆