ストレスは心を楽になるチャンス。苦しみに気づくことで、苦しみから解放される

🌿 1年ぶりの投稿に寄せて

多忙や体調不良が重なって、ちょうど1年ぶりの投稿となります。

少し余裕が出てきたので、コラム・音声配信を再開しました。

これから、どのくらいの頻度で投稿できるかは分かりませんが、なるべく皆様のお役に立てるような内容をお届けしていきたいと思っています。

ご興味のある方は、お付き合いいただければ嬉しいです。

 

 昨日のカウンセリングからの気づき

昨日カウンセリングを受けられた方が、最後にこんなことを、おっしゃっていました。

 

「以前は、ストレスがかかることや悩みごとに出会った時、苦しみを感じるのが嫌で、そういうことが起こらないようにと願っていました。

でも最近、カウンセリングを重ねる中で自分の心が分かってきて、安定するようになりました。

今では、ストレスを感じる出来事や、嫌だなと思うことに出会った時、それをきっかけに自分の心を見つめ、成長する機会だと捉えられるようになったんです。」

 

このように思えるようになると、どんなことが起こっても、その事態に負けず、心が折れることなく、逆にそれを活かして心を成長させ、楽になる道を歩むことができるようになります。

その方のお話を聞いて、本当に良かったなと感じました。とても嬉しい出来事でした。

 

苦しみとの向き合い方

仏教では、

「苦しみをなくすためには、まず苦しみを知りなさい。
つまり、苦しんでいることに気づきなさい」

と教えられています。
苦しみが生じていることを知ることが、苦しみから解放される第一歩なのです。

 

ブッダを例にとります。

ブッダは、当時のインドの王子でした。

王は、ブッダが出家しないように、苦しみを遠ざけ、贅沢な暮らしをさせていました。

しかしある時、病人、老人、死者に出会い、「生きるということには苦しみがある」と気づきました。

そしてそれを克服するために修行を決意し、王子という立場を捨てて出家しました。

 

修行を重ねたブッダは、すべての苦しみを克服し、完全に楽になりました。
つまり、苦しみに直面したことが、すべての苦しみから解放される第一歩となったのです。

苦しみを見なければ、苦しみから解放されることはありません。

苦しみを見る必要があるのです。

 

昨日のご相談者さんは、それがだんだん分かってきたとおっしゃっていました。

自分にとって思い通りにならない出来事やストレスを感じることが、逆に自分の心を見つめるきっかけとなり、心を成長させ、楽になる一歩になると体感されたのです。

今までなら嫌な出来事に対して構えていたのが、その構えがなくなったとおっしゃっていました。

 

苦しみは成長のチャンス

ただ、カウンセリングを受ける方でも、このように感じられる方はごく少数です。

多くの人は、そういう事態になることを恐れています。

そして、ストレスや苦しみを感じないことが「良いこと」だと勘違いしてしまうのです。

 

でも、逆なんです。

 

私がいつもお伝えしているのは、
「ストレスだと感じた時ほど、自分の心は成長し、苦しみから解放されるチャンスですよ」
ということです。

 

結局、ストレスや苦しみを感じるのは、その人に何かしらの欲があるからです。

欲求・期待・願望があり、それが叶わないからストレスや苦しみを感じるのです。

つまり、現実がおかしいのではなく、その人がどんな欲を抱いているかが問題なのです。

その欲を手放し、執着しなければ、楽になります。

 

苦しみを感じた時ほど、「あ、自分はこういう欲にしがみついていたんだ」と気づくことができ、それが成長のきっかけになります。

 

 人間関係と欲の気づき

例えば、人間関係でストレスを感じる人は、相手に期待しすぎていることが多いです。

「分かってほしい」「理解してほしい」と思えば思うほど、苦しみは増えていきます。

相手が自分の思った通りに反応してくれればストレスは少ないですが、相手をコントロールすることはできません。

予想外の反応をされた時に、傷ついたりストレスを感じるのです。

こちらが強く「分かってほしい」と思って話しをすれば、
相手がただ自分の意見を言っているだけ、相手に悪意が無くても、
「分かってくれなかった」「否定された」と傷ついてしまったりするのです。

ストレスを感じる時は、必ずこちら側が期待している時です。

欲を持っているからこそ、苦しみが生まれるのです。

 

その欲にしがみつけばしがみつくほど、ストレスも苦しみも大きくなります。

だからこそ、「欲が原因だったんだ」と気づき、「少し欲を和らげよう」「手放そう」と思えることが大切です。

 

苦しみから逃げずに向き合う

苦しみを見ることは、苦しみから解放されるための第一歩です。

私たちは、苦しみから逃げようとする傾向があります。

嫌なことがあった時、ネガティブな感情が生じた時、体に不調が出た時、必ず「こんな状態じゃない方がいい」と欲を抱いているはずです。

でも、その欲こそが苦しみを生み出しているのです。

 

だからこそ、「苦しみから逃げようとしていることに気づく」ことが、非常に重要になります。

「苦しみは楽になるチャンス」
ぜひ、忘れないで下さいね。