感情に向き合い受けとめる
以前の記事書いたように、感情を受けとめることは、メンタルケアにとって重要なことです。
感情を拒絶して抑圧すると、心の傷となって心の歪みを引き起こします。
感情は心の奥底に蓄積される為に、理由もなく生きづらさを感じたり、ウツウツとしたり、突然感情が爆発する場合もあります。
身体に影響が出てしまう人もいます。
クライアントさんと接していると、感情を受け止めることが苦手な人が、少なからずいるなあと感じます。
苦しみから逃れるために感情にフタをしようとして、かえって苦しみを生み出してしまうのです。
思考に逃げない
悲しみや怒り、焦り、恨みなどのネガティブな感情が生じると、人はつい、目を背けがちです。
特に思考の働きが強い人は、思考を駆使して、感情から逃れようとします。
私自身も、かなりの思考型人間です。
例えば私の場合、「人に嫌われる恐怖」を頻繁に感じます。
恐怖を感じることは不快なので、つい頭を回転させて、思考に逃げてしまいます。
- 自分はダメな人間だから、嫌われて当然だ
- 嫌われたわけではないかもしれない。単に相手が不機嫌だっただけかも
- 万人に好かれることなんてあり得ない。人から嫌われることも当然ある
- 恐怖を感じるということは、それだけ好かれたいという裏返しかも
- 好かれたくて自意識過剰になっているのかな etc
私は恐怖を感じると、反射的にこのような思考が次々と浮かび、何とか恐怖心から逃れようとあがきます。
でも、感情を受け止めずに思考だけ働かせても、恐怖心は一向に無くなりません。
感情を受け止め、認めることで、初めて感情は消化され、小さくなっていくのです。
ですので今は、逃避のための思考をしていることに気づき、一旦思考を止めて、恐怖という感情そのものを味わうようにしています。
ああ、怖いなあ
自分はこんなに怖がっているのだなあ
こんな風に、感情を味わいます。
確かに、ネガティブな感情が生じると辛くなります。
でも、感情から逃げれば逃げるほど辛さは増し、その状態は長引きます。
思考を働かせるタイミング
思考自体が悪いわけではありません。
先ほどの私の場合、恐怖について分析し、今後の対応策を検討することで、より楽に生きることができるようになります。
でも、思考を働かせるタイミングがあるのです。
感情を受け止めて味わっていると、感情は次第に収まり、心が軽くなっていきます。
この段階で、思考を働かせるのです。
どうしてこのような感情が生じたのだろう?
次はどのように対処しようか
十分に感情を味わった後なら、思考は効果的です。
感情を受け止めることが苦手な人は、ネガティブな感情を味わうことに不安や恐怖を感じることが多いようです。
- こんな悲しさが続いたら、日常生活に支障が出てしまうかも
- 感情が出たままにしていると、自分がおかしくなってしまいそうだ
- 怒ることはダメなこと。怒ってしまってはダメな自分になってしまう
色々な理由をつけて、人は感情から目を背けようとします。
こんな方は、ネガティブな感情に向き合うのに、ちょっとした勇気が必要です。
でも、一度向き合ってしまえば、怖いことなど何も無い、むしろ心が楽になることだとわかるでしょう。
それがわかれば、段々と、感情を受け入れることが上手になっていきます。
また、「感情に向き合う・感情を受け止める」ということがよく分からない、ピンとこない方もいるでしょう。
長い間、感情から目を逸らすことに慣れてしまうと、感情を受け止める感覚を忘れてしまうのですね。
この場合も、コツさえ掴めば、感情と向き合えるようになっていきます。
心を軽くするために、ぜひ感情に向き合う勇気を持ち、日々の感情に敏感になって下さいね。