自分を縛る価値観に気づく

子供の頃に植え付けられた価値観は、大人になっても人生を支配します。
最近、そのことを強く感じたことがあったので、記事にします。

羽生選手の4回転アクセル

平昌オリンピックの頃、羽生選手と宇野選手から学ぶメンタルケアについて、記事にしたことがありました。
羽生選手のメンタルは非常に興味深くて、オリンピック以降羽生選手の言動を常にチェックしています。

平昌で金メダルを取った直後から、羽生選手が「4回転アクセルを目指す」と宣言されていることは、有名ですよね。
羽生選手は、小学校2年生~6年生ま都築コーチに指導を受けます。
コーチから「アクセルは王様のジャンプだ」と言われて育った羽生選手。
その言葉に影響を受け、今もアクセルジャンプに並々ならぬ想いを抱いていることを、日頃から公言されています。

また、都築コーチは、羽生選手に出会ってすぐに才能を感じ、小学校2年生の羽生選手に、「オリンピックへ行こう、世界一になろう」と声をかけます。
それ以降も、「オリンピックで金メダルを取ろう」といつも言い聞かせていたそうです。

羽生選手は、「都築コーチの指導が自分の土台を作っている」といった趣旨の発言を頻繁にされており、コーチから大きな影響を受けたと話されています。
そんな都築コーチの発言によって羽生選手は、オリンピックでの金メダル獲得、4回転アクセルへの挑戦、といったものに価値を置くようになったことでしょう。

子供の頃に植え付けられた価値観が、大人になっても人生を支配する顕著な例だなと思いながら、4回転アクセルに挑戦する羽生選手を楽しんでいます。

価値観が人生に与える影響

私は子供の頃、家族から頻繁に次のような言葉を言われていました。

お前は、わがままで自己中
人のことを考えない

これらの言葉は、呪いのように私の中に刻み込まれました。
「自分はわがままで自己中心的な人間なんだ」と思い込み、正当な自己主張ができなくなります。
ちょっとしたことでも、「これはわがままだから言ってはいけない」と思って我慢してしまうのです。

例えば、エアコンが寒いと感じた時。
「温度を上げて」と言うのはわがままと思って、ひたすら寒さを我慢します。

会議などで意見を言いたくても、「自分の意見を言うのは自己中だ」と感じて自分の想いを伝えられません。

また人に優しくしたくても、「自分は人のことを考えない人間だ。そんな自分が人に対して優しくしようなんて、おこがましい」と思って、上手く優しさを表現できなくなりました。
優しくしていると、「偽善なのではないか」と自分自身を疑ってしまうのです。

ある方の7歳の時の話です。
遊んでいると、父親が通りかかって、「このくらいの時が一番幸せだよな」と言われたそうです。
その方は以来、その言葉に縛られてしまって、いつも「今の自分は幸せではないのだろうか」と釈然としない、若干の不安感を抱くようになったそうです。

父親は、その方の自己肯定感を育ててくれた存在で、問題がある親ではないそうです。
恐らく、何気なく口から出た言葉だったのでしょう。
それでも、何気ない大人の言動によって、子供は人生を左右されるほどの価値観を植え付けられてしまうのです。

あなたは、子供の頃、どんな価値観を選び取りましたか?
その価値観は、人生にどのような影響を与えていますか?

自分を縛る価値観に気づく

もし、生きづらさに繋がる価値観を持っていたら、手放す必要があります。
しかし、子供の頃に植え付けられた価値観は、とても強固で、自分に馴染んでいます。
自分にとってマイナスとなる価値観を抱いていることにすら、気がついていない場合も多いのです。

理由がよくわからないけれど、
なんだか生きづらさを感じる
空虚感がある
虚しさがある
人と上手く付き合えない
何度も同じトラブルを繰り返す

このような場合、生きづらさにつながっている価値観に気がついていないのです。
まずは、自分がどんな価値観に縛られているかを、把握することが大切になります。

カウンセリングでは、クライアントさんと一緒に、自分を苦しめている価値観を探り、価値観から解放されるアプローチをしています。