自分は「普通」ではない!?
- 自分は普通ではないんです
- 自分はおかしいんです
- 何とか普通になりたいんです
- 人と同じようになりたいんです
こんなお悩みを訴えるクライアントさんは、実に多くいます。
例えばAさんが思う「普通」は、「明るく誰とでも仲良くできて、友達の多い状態」です。
でも、自分は明るくないし、限られた人としか仲良くできなくて友達も少ない。
そんな「普通でない自分」はダメだ、何とかしたい、普通であれば楽に生きられるはずだ、と悩んでいます。
「普通」は自分が作り出した概念
カウンセリングでクライアントさんが「私は普通になりたいのです」とおっしゃると、
私は、「では、普通とはどんな状態ですか?」とお聞きします。
すると、普通という概念は、クライアントさんごとに違うことがわかります。
多くのクライアントさんは、自分の考える普通が、世界共通の絶対的なものだと思っていますが、そんなことはありません。
クライアントさんが自分で、普通という概念を作り出しているだけにすぎないのです。
自分で作った概念に縛られ、苦しんでいるのです。
自分で自分を苦しめているようなものです。
更に、普通がどんな状態なのか、自分でもよくわからないまま、漠然と「普通ではない自分はダメだ」と思い込んでいる人もいます。
そのような人は、「普通とはどんな状態ですか」と質問されても、答えられなくて言葉に詰まってしまうのです。
「普通」という概念を作る人の特徴
「普通になりたい」と願う人は、自分に自信が無い人です。
あるがままの自分を受け入れていません。
ですので、少しでも他の人と違う部分が自分にあったり、人と違うことをすると不安に感じ、「自分は普通ではない。ダメだ。」と思ってしまうのです。
でも、他の人と同じようにすれば、周囲の人と同じことが出来れば、自分の自信の無さを直視しなくて済みます。
不安を感じないように、少しでも安心できるように、
普通という概念を作って、一生懸命そこからハミ出さないようにしがみついているのです。
先ほどのAさんの場合、限られた人としか仲良くせず友達が少なかったとしても、自分に自信があれば、気にもせず満足できているでしょう。
なぜ「普通」という概念は作られたか?
人間は学ぶ動物です。
体験したことがないこと、学んだことがないことは身につきません。
普通という概念を持っていたら、人生のどこかで学んだために身についたものなのです。
Aさんの場合、両親が、「明るくて誰とでも仲良くして友達が多い人間になって欲しい」と願って、Aさんを育てたのかもしれません。
あるいは、学校の先生がそのような価値観を持って教育されたのかもしれません。
また、Aさんの友達に、明るくて誰とでも仲良くできる人がいて、Aさんはその友達に憧れたのかもしれません。
いずれにしても、何かしらのきっかけがあって、Aさんは普通という概念を作り出したのです。
カウンセリングで行うこと
まず、クライアントさんが思う普通とはどういう状態なのかを明確化します。
そして普通という概念を手ばなし、心を楽にして頂きます。
この時、普通が作られた経緯を紐解くことが大切な作業になります。
単に、「それは自分で作り出した概念ですよ」とお伝えしても、クライアントさんは頭で理解するだけで、普通を手放すことはできません。
きちんと過去を紐解き、自分が作り出した概念であることに心で納得することで、次のステップに進むことができるのです。
手ばなすことができたら、自信を高め、自分らしく生きられるアプローチを行います。
まとめ
あなたは長年、「自分は普通ではない」「自分はおかしい」と悩んでいませんか?
自分で作った概念に苦しめられていたら、手ばなすことで、楽に生きることができます。
ぜひ、心を解放して、ラクに生きてくださいね。