生きづらさ改善のコツ:「意識付け・動機付け」は重要です
前回の記事では、
心は常に変化するので、
何が生じても放っておくことが大切
ということを、ご紹介しましたね。
一方で、ただ放っておいては、いけないこともあります。
今回は、このことを記事したいと思います。
大事なことは、繰り返し「意識付け・動機付け」する
心は常に変化します。
ネガティブな気持ちが生じようが、
ポジティブな気持ちが生じようが、
何にも固執しなければ、
それらは自然と過ぎ去ってしまいます。
ですから、
固執しない、執着しない、放っておく
ということが、心の平安の為に、重要になります。
でも一方で、大切なこと、心に留めおくべきことは、放っておいたら、自然と、忘れ去ってしまいます。
繰り返し、意識付け・動機付けしなければ、すぐに変化していってしまうのですね。
仏教三国と呼ばれる、タイやミャンマーでは、毎日、朝と夕、お坊さんや熱心な在家信者が集まって、読経します。
- ブッダや法などへの礼拝
- 全ての苦しみから解放されて、幸せになりたいという祈り
- 五戒と呼ばれるルールを守ることで、心身を平安に保つことの決意
- 自分を含め、全ての生命を慈しむ気持ち
- 全ての現象が無常であり、何物にも執着しなければ安らぎが得られる、という真理
こういった内容を、皆で唱和します。
更に、読経の後は、僧侶による、説法が続きます。
このように、毎日毎日、同じことを復唱することで、大切なこと、心に刻むべきことを確認し、意識付けするのですね。
キリスト教でも、色々な場面で、毎日、祈りを捧げますよね。
例えば、食事の前には、神に対して、また食事ができることへの感謝を、祈りますね。
まだ20代前半の頃、同じ年代の、クリスチャンのご夫婦に招かれて、夕食をご一緒したことがありました。
夕食の準備中、奥さんが、旦那さんに対して「気が利かない」とイライラをぶつけ、夫婦喧嘩が始まりました。
まあ、よくある夫婦の一コマですよね・苦笑
でも、いざ夕食が始まる時になったら、ケンカをスパッとやめて、2人は食事前の祈りを捧げ、その後は、夫婦は仲良く食事を楽しんでいました。
毎日、このような祈りによって、夫婦の仲を保っているのだなと、とても感銘を受けたのを覚えています。
このキリスト教の祈りのように、毎日毎日、大切なことを意識付けすると、忘れたり、気持ちが弱まるのを防ぐことができますよね。
逆に言うと、
毎日繰り返さなければ、気持ちはすぐに変わってしまう
ということです。
食事への感謝も、祈りを行わなくなったら、恐らく生じてこなくなるでしょう。
先ほどのご夫婦も、ケンカの止め時や、お互いを尊重し合う気持ちが、分からなっていきかねません。
何度も書いているように、苦しみから解放されるには、
心を観察し、放っておく(鍛える)必要があります。
でも、人間、意識付け・動機付けを常に行わないと、すぐにサボるようになります。
心の動きに無自覚になり、苦しみにハマり込んでしまいます。
心の動きを観察するよりも、美味しいものに耽ったり、TVやスマホを楽しんでいるほうが、慣れているから楽なのです。
だからこそ、毎日毎日、
「キチンと心を観察しよう。心に何が生じても、放っておこう!」
と、言い聞かす必要があるのですね。
モチベーションは、必ず低下する
どんなに、やる気に満ちても、その気持ちも、いずれ変化していきます。
何かを始めるときは意気揚々でも、しばらく経てば、モチベーションは下がりますよね。
だからこそ、折に触れ、心に刺激を与える必要があります。
私は今、月1回、オンラインセミナーを開催していますが、
開催の目的には、この意識付け・動機付けの意味合いが含まれています。
また、このコラムを書いている目的も、同様です。
色々情報を提供したいというのは、セミナーを開催したり、コラムを書く目的の1つではあります。
でも、正直な所、セミナーを聞いただけでは、コラムを読んだだけでは、心は楽になりません。
ご自身が、真摯に心と向き合わなければ、苦しみからは逃れられないのです。
ですから、聞いて下さる方の意識付け・動機付けが、セミナー開催の1つの目的でもあります。
セミナーをお聞きになって、コラムをお読みになって
「自分でも取り組めそうだな、試してみよう。頑張ってみよう」
とか
「カウンセリングを受けて、心の扱い方を学ぼう」
そう思って頂けるように、刺激になれるように、セミナーを開催したり、コラムを書いている意味合いが強いです。
また、カウンセリングを卒業された方も、しばらくすれば、モチベーションが低下することもあるでしょう。
ですから、カウンセリングをご卒業された後も、時々、セミナーをお聞きになることで、コラムをお読みなることで、
モチベーションを高めて頂ければ、という願いも込めています。
私自身、尊敬するお坊さんの本や説法を、短時間でも毎日、読むようにしています。
そうしないと、
「今日は、心を観察しなくて良いか。怠けたって良いじゃん。何かに執着してたって良いじゃん」
と、サボり心が出るかもしれません。
そうなったら、一気に心は苦しみます。
何かに固執してしまい、一瞬で、苦しみが生じます。
例えば、
「体調が悪いのは、嫌だよ~。」
と、体調にしがみついて、苦しんでしまうかもしれません。
「あ~、失敗した!これでは、人からこんな風に、あんな風に、非難されそうだ!」
と、自分を苦しめる思考に、ハマり込んでしまうかもしれません。
でも、キチンと心を観察していれば、
「体調が良くなりたい」
という欲も放っておけるし、
「人に非難される」
という思考にも、ハマり込むことはありません。
ただ放っておいて、呼吸など身体の感覚に意識を向けてしまえば、心は平安でいられるのですね。
その為には、
「キチンと心を観察して、何が生じても放っておこう」
という、動機付け・意識付けを毎日行うことが、とても大事になってくる、ということですね。
この記事も、皆さんにとって、何らかの動機付け・意識付けになっていたら、嬉しく思います。