カウンセラーだって、ネガティブな気持ちは生じます

 

よくあるお悩みですが、先日のカウンセリングで、クライアントさんが、こんなことを、おっしゃられました。

 

人に対して、ネガティブな思いを抱いてしまう。

嫌だなって思ったり、怒りを感じたり、そんなのおかしいと思ってしまうのです。

 

人に対してちょっとネガティブな想いを抱く。

これは、誰にでもあることですよね、

でも、このクライアントさんは、ネガティブな想いを抱いていることよりも、

 

人に対して、ネガティブな想いなんて抱いてはいけない!

そういう自分だダメだ!

これは問題だ!
だから何とかしなくては!

 

と、思っていらっしゃる様子が、すごく伝わってききました。

 

ネガティブ感情そのもので苦しんでいるというよりも、

 

ネガティブな感情が出るのはおかしい!

あの人に対して、良くない感情を抱くことが問題だ!

 

と、そういったことで、苦しんでいるように、感じたのですね。

 

ネガティブ感情は、誰でも生じる

そこで、クライアントさんに、こんなことを伝えました。

「想いや感情というのは、理屈に関係なく、自然に発生します。

人に対して、感謝の気持ちや、好き・楽しい・嬉しいという気持ちが、自然に生じるように、

嫌だな、不快だな、嫌いだ、イライラする、そういった気持ちも、自然発生するものですよ。

もちろん、私も同じです。」

 

クライアントさんは、驚き半分、ホッとした感じが半分、という反応でしたね。

 

私達は、

人に対しては、ポジティブな想いを抱かなければならない、
そうでなければ、問題だ、

と思い込んでいるのです。

 

でも、誰でもネガティブな想いは自然発生します。

もちろん、カウンセラーのような、心を扱うプロでも、それは同じです。

 

感情が生じる裏には、「欲」がある

感情が生じるには、必ず「期待・願望・欲求」があります。

仏教的に言えば、「欲・煩悩」ですね。

 

欲が叶えられれば、ポジティブ感情が生じて、嬉しい・楽しいという気持ちになるし、

欲が叶えられないと、ネガティブ感情が生じます。

 

例えば、

「人に優しくして欲しい!」

という欲がある時に、優しくされれば、優しい言葉をかけられれば、

「嬉しい」

いう気持ちが生じたり、感謝の気持ちが生じます。

 

一方で、優しい言葉をかけられない、ちょっと冷たいなと感じられるような言葉をかけられると、

悲しさや、怒り恨みの感情が生じます。

 

このように、欲があれば、自然に感情は発生するのですね。

 

 

感情が生じることを、コントロールできない

欲があれば、感情は自然に生じます。
コントロールできないんですね。

カウンセラーであろうと、誰であろうと、
欲があれば、ネガティブ感情もポジティブ感情も、自然に発生します。

 

でも、生じた感情の扱い方は、一般の人と、カウンセラーでは違うのです。

 

心を心の扱い知らない人は、

自然発生した感情に巻き込まれ、右往左往します。

ポジティブ感情に舞い上がって追い求め、

ネガティブ感情から逃げようとしたり、「こんな悪いものはダメだ!」と、無理矢理押さえつけたりします。

 

自然発生する感情を、

「これは良い。これはダメ」と価値判断して、新たな苦しみを作り出してしまうのです。

 

 

気持ちを、ただ受け止め、放っておく

でも、心のプロは、

感情を、ただ、あるがまま受け止めるます。

「そういう気持ちが生じたね~」と、ただ眺めるだけです。

 

悲しいという感情が生じたら、

「あるがまま受け入れてほしいとか、認めてほしいという欲があるね~」

と、ただただ、欲と感情を、あるがまま受け止め、

追いかけるでもなく、拒絶するのでもなく、ただただ、放っておくのですね。

 

そうすると、心は静まっていきます。

 

以前の私は、このことが、わかっていませんでした。

「価値判断しないで、ただ放っておけば良い」ということを知らなかったのですね。

 

ですから、例えば、人の目が気になって、「怖い」という感情が生じると、

「自己肯定感が低いから、こんなネガティブな感情が出るのかもしれない。

これは問題だから、自己肯定感上げなくては!」

というように、感情と戦い、無理矢理どうこうしようとしていました。

 

でも、また「怖い!」という感情が生じる。

「ああ、まだ自己固定感が低いんだ、何とかしないと。。。」

 

これをずっと繰り返していました。

 

いや~、疲れますよね。

 

欲があれば、感情は自然発生する。

このことに気づいて、とても楽になりました。

 

感情は、ただただ、放っておく。

そして、欲に着目して、欲も放っておく。

 

こんなに簡単なことだってわかってから、とても生きやすくなりました

 

だったら、

  • 感情や欲に気づく練習
  • 放っておく練習

をすれば良いのですからね。

 

この練習自体は、根気よく、繰り返しが必要です。

何度も巻き込まれて、失敗するでしょう。

 

でも、やるべきことは明確ですから、迷いはありませんよね。

このことを知るだけで、心は楽になると思います。

 

「カウンセラーであろうと、誰であろうと、欲があれば、感情は自然発生すす」

覚えておいてくださいね。