亡き母へ贈る

 

私事ですが、母が先日、急死しました。

家族を含め、母を知る全ての人にとって、青天の霹靂と言っていいくらい、それは突然の死でした。

ここに、最後に母へ贈る言葉を記したいと思います。

お母さん。

長きにわたり、私たちを大切にしてくれて、本当に本当にありがとうございました。

あなたのことが、大好きでした。
あなたの子供で、本当に嬉しかった。

あなたが死ぬ時は、それを言ってお別れしたいと、常々思っていたんだ。

ただ、今回は突然の死で、私は最期に会えなかったから、伝えられなかったね。

でも、まるで眠っているようなあなたの姿を見ながら、そのことを話したら、あなたの孫が、
「大丈夫だよ。おばちゃんの気持ちは、おばあちゃんに伝わっているよ」と言ってくれた。
私もそう思う。きっと、あなたには、伝わっていたよね。

 

亡くなった直後は、あなたのことが愛おしくて、

「ああ、来世も、その次の生も、その次の生も、未来永劫、あなたの家族でいたい。
また私が子供でも良いし、今度は私が親になって、あなたを思いっきり愛したい。
夫婦でも、兄弟でも良いね。
そうやって、ずっとずっと一緒にいたい」

と思ったよ。
きっとそうやって、私とあなたは、長い期間、輪廻してきたのかもしれない。

でも、私は、今世限りで、あなたへの執着は絶ちます。
あなたに執着し続けたら、私は苦しんでしまうから。

だから、これでもう、本当のお別れです。

仏教では、死んだ瞬間の心のエネルギーによって、次の生に生まれ変わると言う。

あなたはもう、他の生を生きていることと思います。
その境遇が、良いところであることを祈ってやみません。
どうぞ、次の生で、たくさん徳を積んで下さい。
そしていつか、あなたがこの苦しみの輪廻から解脱できることを、心より祈ります。

私も精進しますから、お互い、それぞれの場所で、頑張りましょうね。

あなたから受けた恩は、返そうと思って返せるものではありません。
でも、私が精進し、全ての苦しみから解放されることが、唯一の恩返しだと思っています。
だから、私はこれからも精進し続けます。
全ての苦しみから解放される日まで。

本当に本当にありがとうございました。
さようなら。