思考パターン・価値観をポジティブにする

これまでの記事で、悩みを減らすには思考に気づいて手放すことが有効であること、その方法としてマインドフルネス(瞑想)をご紹介してきました。

私は色々な心理療法を体験してきた中で、マインドフルネス(瞑想)はメンタル不調にとても素晴らしい効果があると実感しています
思考や感情を手放してしまえば悩みは生じませんし、マインドフルネス(瞑想)を継続していくと、悩み体質から脱却し、心が安定してきます。

しかし、24時間、常にマインドフルネスモードで思考に気づき、思考を手放すことは現実的には極めて難しいです。
特に、悩みの真っ最中にある人は、頭をフル回転させている状態なので、なかなか冷静なマインドフルネスモードにできないことも多いです。
思考に巻き込まれてしまうのです。
また、身体に不調がある場合も、集中力に欠け、マインドフルネスモードを持続することは困難になります。

マインドフルネスを多少実践して頂ければ、常にマインドフルネスモードでいることの難しさはお分かり頂けると思います。
そこで今回は、ネガティブ思考をポジティブ思考に変える方法をご紹介します。

思考は思考パターン・価値観に縛られる

トップページに書いているように、同じような思考を続けると一定の思考パターン・価値観を作り、その後は、その思考パターン・価値観に縛られた思考をすることになります。

この、思考パターン・価値観によって自動的に出てくる思考を自動思考と言います。
人はこの自動思考によって、似たような事柄でいつも同じような反応をして、同じような悩みを抱くのです。

自動思考の例を少しご紹介します。

  • 忘れ物をするなどちょっとした失敗で、「やっぱり自分はダメな人間なんだ」と考えて落ち込む。
  • 人に話しかけて無愛想に返答されると、「どうせ自分は嫌われている」と悲しくなる。
  • 仕事を怠けている人を見ると、「許せない。社会人なら仕事をしっかりやらなければいけない」と怒る。

強調した「やっぱり」、「どうせ」、「~しなければいけない」は、ネガティブな自動思考の際に出てくる典型的な言葉の例です。
これらの自動思考は、自分で作った思考パターン・価値観に従って生じるものです。

せっかく自動で生じる思考なら、不安・恐れ・怒りなどネガティブな感情を生じさせる思考ではなく、喜び・楽しみ・慈しみなどポジティブな感情を生じさせる思考にしたいですよね。
自動思考を変えるためには、思考パターン・価値観に変える必要があります。

思考パターン・価値観を変える方法

トップページで、思考パターン・価値観は基本的には子供時代に作られると書きました。
長年、心身に沁みついた思考パターン・価値観を変えるには、次のような方法があります。

  1. 思考パターン・価値観がどのように作られたのかを紐解き、癒す。
  2. 心の奥底(潜在意識・無意識)に繰り返し働きかけ、修正する

1については、カウンセリングで対話をしながら行う必要がありますので、説明は割愛します。
1の作業を行うと、とても気持ちがスッキリして、1つ肩の荷を下ろした気持ちになり、人生が変わったように感じられるものです。
上手くかみ合うと、劇的に変わる可能性もあります。

2は、地道な作業にはなりますが、重要な作業です。
1回行えばすぐに結果が出るというものではありませんし、時間をかけて徐々に変化する方法ですが、塵も積もればです。
毎日でも実践できますので、ぜひ日々の生活に取り入れて頂きたいと思います。
さらに、1と違い、過去の辛い記憶や感情を掘り起こす必要がないことが利点です。

思考パターンや価値観は、言ってみれば「思考のクセ」です。
クセですから修正可能です。
ご自身でも簡単に取り組める方法を、今後、コラムでご紹介します。