アダルトチルドレンを受け入れる
最近、アダルトチルドレン絡みの記事を頻繁に書いている為か、「アダルトチルドレン」で検索してサイトを訪問して下さる方が多くなっています。
それだけ、アダルトチルドレンで苦しんでいる方がいるのだと、改めて気づかされます。
問題は完全には無くならない
ところで、アダルトチルドレンの方は、
「生きづらさを改善するために、アダルトチルドレンを脱したい」
と思っている方が多いように感じます。
「アダルトチルドレンでない人のように生きたい」
そんな願望が伝わります。
しかし、アダルトチルドレンが完全に問題を解消し、健全に育った人と同じようになることは、極めて難しいです。
アダルトチルドレンが生きづらさを感じるのは、子供の頃に作り上げた、不健全な価値観・思考パターンが原因です。
価値観・思考パターンは長年身体に沁みつき、相当に強固になっています。
ですので、子供の頃の心の傷を完全に修復することは、ほぼ不可能と思って良いでしょう。
完全に問題を解決したいと思うと、あまりにもハードルが高くて、かえって苦しみが増えてしまいます。
「問題を全て無くしたい」と考えるのは、少々極端な発想です。
アダルトチルドレンの特徴⑤に書いたように、その極端な発想こそ、アダルトチルドレンの特徴でもあります。
自分が、完璧を目指していないか、目標を高くし過ぎていないか、現実と照らし合わせて考えてみて下さいね。
問題を抱えながらも上手く適応する
完璧を目指すよりも、問題を抱えながら、上手く適応して生きていく工夫をすることが現実的です。
アダルトチルドレンは、健全に育った人のようには生きられない。
アダルトチルドレンであることを自覚して、その中で最善を尽くす。
このように捉えると、力が抜けて生きやすくなります。
私は、10歳の時に対人恐怖が始まり、30年以上たった今も対人恐怖症を抱えています。
この10年、様々な心理療法を試し、もちろん症状は軽くなってきていますが、完全には回復していません。
でも、恐怖心を持ちつつも、上手く人と関わることは年々上達しています。
アダルトチルドレンであっても、上手く適応して、楽に生きていく事ができるようになるのです。
まずは、自分が子供時代に作った、不適切な価値観や思考パターンの仕組みを理解することが大切です。
そして、可能な範囲で、その不適切な価値観や思考パターンを緩和し、それらと上手く付き合っていく方法を考えましょう。
これが、問題に対しての現実的な対応になります。
新たな価値観・思考パターンを持つ
私には、次のような価値観・思考パターンがあります。
私はダメな人間だ。
ダメな私は人から嫌われる。
人は自分を嫌うから怖い存在だ。
一方で、私の特質は、対人恐怖症だけで成り立っているわけではありません。
その他の特質も色々と持っています。
努力家、思いやりがある、明るい、行動力がある、等々。
人は、長所よりも短所に目が行きがちです。
私も以前は、自分の素晴らしい点よりも、問題点ばかりに注目していました。
でも、心理療法を続ける中で、例えば次のような、新しい価値観を持つようになりました。
対人恐怖があろうがなかろうが、私には様々な魅力があって、人生を豊かにできる。
私は苦しんだ分、カウンセラーとして苦しむ人に寄り添うことができる。
このような価値観を持つと、対人恐怖という問題自体が、大したことではなくなっていきます。
対人恐怖という問題があっても、素敵に人生を生きられるようになるのです。
ぜひ、あなたが魅力的に、楽に生きられる価値観を、新たに作って欲しいと思います。
まとめ
繰り返しますが、アダルトチルドレンの方が、アダルトチルドレンでない状態になることは、極めて難しいことなのだと理解して下さい。
問題を全て解決しようとすれば、実現できなくて苦しみを増やすことになります。
自分がアダルトチルドレンであることを受け入れ、現実的な対応を目指して下さいね。