アダルトチルドレン「極端な思考」

さて、アダルトチルドレンが陥りがちな特徴、今回は、極端な思考についてです。
アダルトチルドレンは、「白か黒か」、「正か否か」、「成功か失敗か」というような、極端な思考になりやすいです。
曖昧さを受け入れるのが苦手なのです。

 

極端な思考

Aさんは、物事に対してほどほどに取り組むことが苦手です。
いつも全力投球で、適当さを受け入れることができないのです。
Aさんの小学3年生になった子供が、地元の野球クラブに入りました。
入部する時、Aさんは、「入るからには、一生懸命やりなさい。絶対にサボってはダメ」と子供に言い聞かせます。
でも子供は、楽しく野球をやりたかっただけで、そこまでスパルタな活動をしたかった訳ではありませんでした。
ある時、学校の友達との遊びの約束を優先して、野球クラブの練習を休みました。
それを知ったAさんは、烈火のごとく怒ります。
「自分でやりたいと言って入ったクラブを、なんでサボるんだ。
そんないい加減な気持ちなら辞めさない!」。
結局、1回休んだことを許さず、クラブを辞めさせてしまいました。

Bさんは、職場でミスをします。
誰でもしがちなミスで、周囲の人は全然気にしていないのに、Bさんは「こんな失敗をしてしまう自分は仕事ができない人間だ。こんな使えない自分が会社にいたら迷惑をかけてしまう」と悩み、結局、会社を辞めてしまいました。
普段から自信が無いBさんは、1度ミスをしただけで自分は仕事ができない人間だと思い込んでしまうとともに、迷惑をかける人間は会社にいてはいけないと考えてしまったのです。

Cさんは、好き嫌いが非常にハッキリしています。
素晴らしい人だなと尊敬したり、親切にされて良い人だなあと思うと、その相手をとても好きになります。
一方で、Cさんが認めることができない面を持つ人のことは、どうしても好きになれません。
例えば、Cさんはテキパキしている人が好きで、優柔不断な人が苦手です。
とても気遣いがあり人当たりの優しいけれど優柔不断な面を持つ人がいると、Cさんは苦手な優柔不断な面ばかりが気になって、他の長所も認めることができなくなり、その相手を軽蔑してしまいます。
10のうち1がダメだと、残りの9も受け入れることが出来なくなり、その人を否定してしまうのです。
そして極端なCさんは、人を嫌うと、その相手と話をするのも嫌になってしまい、コミュニケーションが取れなくなってしまいます。

曖昧さを受け入れましょう

アダルトチルレンが極端な思考になったのは、そのような思考を持たないと生き延びられなかったからです。
例えば、ちょっとしたことで親に怒られていれば、小さなミスもしてはいけないのだと思うようになるでしょう。
親が極端な思考だったから、子供も極端になってしまったのです。

でも物事は、「白か黒か」、「正か否か」、「成功か失敗か」というように、キッパリと割り切れることなどほとんどありません。
大抵のことは、グレーで曖昧なのです。
人間もまた同じです。
長所もあれば短所もあります。
また、長所や短所は単に視点の違いで分けているだけで、見方によっては短所が長所になり、長所が短所になったりもするのです。
極端な思考をしていると自分が苦しいだけでなく、人とトラブルも起こしやすくなります。

極端な思考をしがちだということを自覚し、曖昧さを受け入れるように心がけて下さい。
子供の頃と違い、曖昧さを受けいれても、不当な扱いを受けることはありません。

まとめ

アダルトチルドレンが陥りやすい特徴として、前回までに「完璧主義」、「傷つきやすさ」、「正しさに囚われる」をご紹介しました。
これらも、結局は極端な思考によって生まれる特徴です。
まずは、自分が極端な思考をしていることに気が付くことが大切です。

さて、アダルトチルドレンが陥りやすい特徴はまだ色々とありますが、まだ説明していない特徴については、追々ご紹介したいと思います。