マインドフルネスで辛さを解消
先日、うつ病研究に権威のある先生の勉強会に参加してきました。
その中で、高い効果が見込まれる治療法として、マインドフルネスの紹介がありました。
先生ご自身も、臨床現場で積極的にマインドフルネス療法を取り入れているそうです。
マインドフルネスとは、五感を使って、今ここに気づき、思考や感情に翻弄されない方法です。
思考している時、脳は大きなエネルギーを使います。
ですので、人は思考しているだけで、疲れてしまいます。
思考を上手くコントロールして、心身を整えることが大切になります。
私は呼吸法と合わせた瞑想をおススメしているのですが、先生も瞑想がおススメで、 ご自身でも日々、瞑想で心を整えているそうです。
瞑想は誰にでも効果がありますので、ぜひ、取り入れて頂きたいと思います。
マインドフルネス全般や、呼吸法、瞑想の方法については、コチラの記事を参照ください。
今回の記事では、辛い感情が出た時の、マインドフルネス的解消方法をご紹介します。
感情と距離を取って思考する
例えば、悲しみにくれている時。
「悲しくて辛い」というように主観的に考えるのではなく、
自分は「悲しさ」を感じている
というように、一歩引いて思考します。
「自分」を客観的に捉えるのですね。
こうすることで、感情に巻き込まれなくなります。
この客観的視点をメタ認知と言います。
マインドフルネスを続けるとメタ認知が育ち、常に客観的に物事を見ることができるようになり、思い込みが減り、悩みが減少します。
根本原因を探らない
マインドフルネスでは、悩みの原因を探りません。
今現在の思考・感情のみにフォーカスするのです。
「どうしてこんなに悲しいのだろう?」なんて考えないで、まず悲しさを受け止めます。
そして、悲しさがどのように変化するか、観察してみて下さい。
「悲しさ」のレベル付けをするのもおススメです。
M A Xの悲しさを1 0 0として、
「この悲しさは少し強くて6 0くらいだな」
「3 0くらいの悲しさだから、大したことないな」
といった感じでレベル付けします。
観察しているうちに、悲しさは小さくなっていくでしよう。
感情を受け止め、観察している時点で客観視(メタ認知)している状態になっているので、感情が治まるのです。
やり過ごす・しのぐ
マインドフルネスでは、根本的に解決する、全てを改善する、といった方法をとりません。
替わりに、その場をやり過ごす・しのぐのです。
感情を受け止め、観察しているうちにその感情が小さくなったら、それで十分なのです。
立派にその場をやり過ごし、しのげたのです。
「悲しさを何とかしなくては!」と息巻く必要も、焦る必要もありません。
次に辛い感情が出たら、また客観的に対処して、やり過ごす・しのぐのです。
それを繰り返すだけです。
先生が、次のようにおっしゃられていました。
人生とは結局、やり過ごしの連続。
世の中、良いことも悪いことも起こる。
全てを全面的に解決しようとするのではなく、その場その場をしのぐことが大切。
今ある感情を適切に処理できれば、それで十分。
それが「生きている」ということでもある。
やり過ごすことには大きな意味がある。
まとめ
今回は、辛い感情が出た時の、マインドフルネス的解消方法をご紹介しました。
原因を探らず、現在の思考・感情にのみ注目することで、今ここに留まり、感情に巻き込まれなくなります。
マインドフルネスを行うにはコツがありますので、初めは上手くいかないかもしれません。
ですが、訓練することで、感情や思考のコントロールができるようになっていきます。
感情の幅が大きい人や、衝動性が高い方にもおススメです。
カウンセリングでは、マインドフルネスの詳しい実践方法をご紹介していますので、ご利用下さい。