「苦しみ」への向き合い方

 

 

最近、前向きになられたクライアントさんが、カウンセリングでこんなことをおっしゃっていました

  • 苦しみを直視しないと、対処ができない、次の一歩が踏み出せない
  • 苦しみから逃げて対処しないより、逃げずに向き合いたい

 

お聞きしていて、その力強い言葉に、とても感動しました。

 

私たちは、辛いことがあったり、苦しみを感じると、

どうにかして、そこから逃げよう、見ないようにしよう、と必死になります。

 

でも、逃げよう逃げようともがいたり、拒否しようとすればするほど、悪循環にはまり込んでいきます。

 

その瞬間は楽になっても、問題は解決していないので、どんどん、泥沼にはまっていくのですね。

 

今回は、苦しみへの向き合い方を、お伝えします。

 

「苦しみ」とは何か

そもそも、「苦しみ」とは、どんなものでしょうか?

「辛い、苦しい」と、私たちはよく口にしますが、意外と、

苦しみとは何か

ということは、あまり自覚していないケースが多いと思います。

 

苦しみとは、わかりやすく表現すると、

ネガティブ感情に巻き込まれている状態

です。

 

悲しみ、寂しさ、不安、怒り、恐怖、恨み、後悔、自責、嫉妬、劣等感。。。

 

様々なネガティブ感情がありますが、こういった感情に巻き込まれている時、人は苦しく感じます。

ですので、

問題や出来事が苦しみではない

のです。

 

例えば、コロナで外出が思うようにできない時、苦しみを感じる人もいたでしょう。

 

それは、思うように外出ができないことで、失望感孤独感退屈さなどを感じたからです。

 

「外出が思うようにできない」

という出来事は、苦しみではないのです。

 

実際、家にいるのが好きなクライアントさんは、

普段は家に閉じこもっていると、「もっと外に出なよ」と言われて面倒くさいけれど、

緊急事態宣言の今は、家に閉じこもっているのが当たり前なので、とても気が楽です

と、喜んでいました。

 

同じ出来事を体験していても、苦しみになったり喜びになったりするのです。

また Stay Home で家族みんなが家にいる時間が長いことで、
ストレスを感じる方もいれば、

「普段忙しいから、家族との絆が強まっていい時間だった」
とポジティブに感じる人もいます。

 

つまり、出来事や問題自体は「苦しみ」ではなく、

そのことによって、ネガティブ感情が発生して、それに囚われている状態が苦しみだということです。

 

ですので、感情と上手く付き合えば、

  • 苦しみと一体にならない
  • 「苦しまない」という選択もできる

のです。

 

 

感情・気持ちを直視する

このように、

「苦しみ」と「問題や出来事」は別物

ということを、しっかり把握する必要があります

 

そして、問題や出来事によって、自分がどんな気持ちになっているかを、探ってみてください。

 

Stay Homeで家族が家にいて、ストレスが溜まった方は、

自分の思い通りに生活ができないことで、疲労感が溜まったり、欲求不満が出たり、怒りが生じたりしたはずです。

 

こうした、何らかの感情が出て、そこに巻き込まれている状態です。

 

苦しみを直視する

ということは、そういった

自分の感情・気持ちを直視する

ということです。

 

でも、

感情や気持ちそのものが、苦しみ

ではないですよ。

 

ネガティブ感情は、自然に湧いてきます。

嫌だなあという気持ちや、怒りは、自然に出てきます。

出てきても OK なんです。当たり前のことなのです。

 

でも、

そこに巻き込まれて、いつまでもしがみついてしまう

ことが、苦しむを生むのです。

 

嫌だなあ、という気持ちが出ても、

「嫌だと思ってるね~」とその気持ちをただ受けとめれば、苦しみにはなりません。

 

怒りが出ても、「あ~、自分は怒っているなあ」と客観的に捉えられれば、苦しみにならないのです。

 

 

冷静に問題を解決する

感情に巻き込まれていない時、人は、冷静に物事を見ることができます。

そうすれば、自ずと、問題に対して適切な対応策が思い浮かび、実行することができます。

 

つまり、問題が解決するためにも、まずは、

自分の感情・気持ちを直視する

ことが、とても大切になるのです。

 

でも、自分の感情・気持ちを直視して受けとめることは、

コツをつかむまで、どういう感覚かわからないかもしれません。

 

よくわからないなあ、という方は、1度、カウンセリングにいらしてくださいね。