人間関係の3ステップ
先日、クライアントさんから、こんなお話をお聞きしました。
コロナ前まで、仕事が忙しくて余裕が無く、夫の言動に、よくイライラしていた。
でも、コロナで自宅勤務になって生活が落ち着いたことで、冷静に、夫のこと、自分のことが見られるようになった。
そうしたら、夫には夫の良い面や、夫の都合・想いがあることに気が付き、
また、自分には自分の改めるべき点が分かってきた。
「お互い様なんだな~」と気が付き、わだかまりが解け、良い関係が築けるようになった。
私たちは、人間関係を築く上で、
- 人にイライラする
- 人の言動で傷つく
- 「なんで、あの人は、あんな言い方するんだろう、あんなことするんだろう」と相手を批判する
など、様々なストレスを感じ、悩んだりします。
でも、結局は「お互い様」です。
この「お互い様」の感覚がわかってくると、人間関係が良好になっていきます。
「お互い様」感覚をつかむために、まず、人間関係には3つの段階があることを、理解する必要があります。
今回は、人間関係の3ステップをご説明します。
ステップ1:相手から影響を受けて苦しむ
まずは、相手から何らかの影響を受け、ストレスを感じて苦しむ段階です。
上記の例ですと、コロナ前に、旦那さんの言動にいちいちイライラしていた時が、この段階ですね。
- 人の言動にイライラしたり、怒りを覚える
- 自分の意見を言おうとしても、正論で返されると、「自分が間違っているのかも」と自信がなくなる
- ちょっと素っ気ない対応を取られると、「嫌われたのかも」と怖くなる
- 相手が悲しそうにしていると、自分も一緒に悲しくなってしまう
こういった場合は、相手に影響を受けて、自分の気持ちが揺らいでいます。
最近、よく耳にする「他人軸」になっている状態ですね。
この段階の対処法は、まず、
「他人に影響を受けて、自分の気持ちが揺らいでいる」
という事実に、気づくことです。
- 自分の意見を言いたかったけれど、正論を言われたから、自分に自信が無くなったんだよね。
- 素っ気ない対応をされたから、「嫌われたかも」って怖がっているんだよね。
このように、ただ、気持ちが揺らいだという事実を認めるだけで、落ち着きます。
ステップ2:自分の意見を主張する
ステップ1は、完全に受け身で、影響をただ受けてしまった段階です。
ステップ2は、こちらからアクションを取る段階です。
- 相手の言動にイライラした場合、客観的に考えて相手に非があるようなら、「その言動は嫌だ」ということを相手に伝える
- 自分の意見を言っても、正論で返されてしまったら、「正論を言うのではなく、気持ちを受け止めてほしい」などと要望を伝える
- 素っ気ない対応で傷ついたなら、「何か悪いことしたかな?体調悪いのかな?」などと確認してみる
つまり、影響を受けたままにしないで、何らかのアクションを取ることで、相手と積極的に関わり、受けた影響を和らげる段階です。
また、理不尽な対応を取られたり、パワハラ・モラハラ系の態度を取られた時などは、
「それはやめて下さい。」
など、はっきりと拒絶の意思を示すのも、この段階です。
人間関係で悩む方は、このステップ2をしていない方が多いです。
影響を受けたら受けっぱなし、受け身onlyになりがちなのです。
人間関係は一方通行ではありません。
嫌なことは嫌、と伝えることで、良好な関係を築けることも多いです。
ぜひ、自分の意見を言う練習を、してみて下さいね。
ステップ3:お互い様
冒頭で書きましたが、人間関係は「お互い様」です。
誰もが、長所もあれば短所もある。
思いやりもあれば、自己中心的なところもある。
- 自分も、人をイライラさせているかもしれない。
- 急いでいたら、自分も素っ気ない態度を取ってしまうかもしれない
- 自分も子供の気持ちを受け止めきれず、正論を言ってしまうことがあるかもしれない
こんな風に、自分にも至らない点があることを認められると、「お互い様」と楽に相手を受け入れられるようになります。
また、相手は相手でストレスを感じていたり、欲求や気持ちがあることに気づき、それを尊重する気持ちが芽生えます。
こうなると、冒頭のクライアントさんのように、人間関係が良好になっていくのですね。
でも、
「不当な扱いを耐える」
とか
「自分の意見を言わないで我慢する」
ということでは、ないですよ。
お互いの意見を尊重しながら、コミュニケーションを図っていく
ということです。
「お互い様」
ぜひ、心にとめて下さいね。