「怒り」と「怒りを人にぶつける」は違う!
カウンセリングでは、
- 夫のやることに、ついイライラしちゃうんです
- 子供にあたっちゃうんです
と、お悩みをご相談にいらっしゃる方が少なくありません。
怒りを感じる方は、皆さん、罪悪感を感じたり、
「起こる自分はダメだ」と自分を否定して、
そんな自分を変えたい、と思っているのですね。
でも、
怒り
と
怒りを人にぶつける
は、全く別物なのです!
このことをよく理解することで、罪悪感や自己否定感を抱くことも無くなりますし、
人間関係も良好になります。
「怒り」と「怒りを人にぶつける」の違い
両者の違いは明確です。
「怒り」は、感情
「怒りをぶつける」は、行動
です。
皆さん、この違いを、ごっちゃにしているなと思います。
つまり、怒りでなくとも、
不安であり、悲しみであれ、楽しさであれ、嬉しさであれ、感動であれ、愛情であれ
何らかの感情を人にぶつけたら、それは迷惑ですし、人間関係を壊しかけない
ということです。
例えば、誰かを好きになったとしても、
相手が自分をどう想っているか、全く無視して、
「私はあなたのことが好き!好き!好き!」
と迫っても、迷惑になることがある、ということです。
感情は、まず自分の中で処理することが原則で、
人に伝える必要があるときも、
「ぶつける」のではなく、
冷静に「伝える」ことが大切なのです。
「怒り」を感じることは、次の項目で解説しているように、自然なことなので、制御はなかなか困難です。
でも、「怒りを人にぶつける」という行動は、
意志の力で、いくらでも制御可能なのです。
ですから、怒りを感じても、
- これは、単なる感情なんだ
- 自分は、感情そのもの、怒りそのものにはならないぞ
- 人にはあたらないぞ!
と意志を強くすることが大切です。
「怒り」は自然に発生する
「怒る自分はダメだ!」
と自己否定する方も多いですが、怒りは感情ですから、自然に発生します。
「楽しんではいけない、嬉しがってはいけない、感動してはいけない」
と言っているのと同じなのです。
楽しい、嬉しい、感動する、好きだ
こういった感情が自然発生するように、怒りも自然発生するのです。
ですから、怒りは生じて当たり前。
否定することではないのです。
まず、「怒ってはいけない」を手放しましょう。
怒りの裏にあるものに注目する
怒りは、ある条件下で発生します。
それは、
「欲求・願望が、かなえられなかった、疎外されたとき」
です。
つまり、怒りの裏には、必ず何らかの「欲求・願望」が隠されています。
旦那さんやお子さんにイライラするときは、
「こうして欲しい」という願望がまずあって、それがかなえられなくて怒りにつながっているのです。
さらに、欲求・願望がかなえられない悲しさ、寂しさ、失望感なども、隠れています。
怒りを感じたら、「欲求・願望」や、悲しさ、寂しさ、失望感などに意識を向けます。
そうすると、「怒りそのもの」にはなりません。
冷静になれるのです。
ポイントは、
感情そのものにならない
感情と自分自身に距離を置く
ということです。
「怒り」をどう相手に伝えるか
自分の本来の願望や失望感などに目を向けることで、解決することもあるでしょう。
でも、時には、不満や怒りを、適切に相手に伝えることで、状況が改善することもあるでしょう。
「怒りそのものをぶつける」
のではなく、
「どう相手に伝えたら、相手にとっても自分にとっても、為になるか」
をよく考えてから、相手に伝えて下さい。
あまりに理不尽な対応を受けたら、冷静に、
「その対応は、私は受け入れられません。私は怒りを感じます」
など、毅然と言うことも重要です。
でも、一方的に相手に非がある、という状況は、あまり多くありません。
相手には相手の言い分がある場合が、ほとんどなのです。
その場合は、怒りではなく、
自分の欲求や願望、またそれがかなえられなかった悲しさ、寂しさ、失望感
などを伝えると良いですね。
- こういうことをしてもらえると、嬉しいな
- 言い方がキツクて、否定されたように感じて、悲しかった
- 正論でアドバイスするのではなく、私の愚痴をただ受けとめて欲しいな
こんな感じで、自分の欲求・願望や気持ちを、上手く伝えていくと、人間関係はスムーズになっていきます。
でも、1回上手くできなくても、めげないで下さいね。
練習によってドンドン、上手になっていきますよ!