生きづらさを改善できる人・できない人
カウンセリングをしていると、
「この人は、早く変わりそうだな~」
「この人は、ちょっと時間がかかりそうだな」
「この人は、残念ながら、カウンセリングを続けるのは、まだ早そうだな」
といった違いが、わかっています。
言い換えると、
生きづらさを改善できる人、できない人
に分かれる、ということです。
- 生きづらさを改善できる、自分を変えられる人
と
- 改善や変化が難しそうな人
の違いは
「何に着目しているか」
です。
生きづらさを改善できる人は、自分で変えることができる点に着目しています。
一方で、改善が難しい人は、自分では変えることができない点に着目しています。
自分には変えられない点に着目していては、
どんなに努力しても、生きづらさを改善することはできないのです。
今回は、自分で変えられること・変えられないことをご紹介しながら、
生きづらさ改善のヒントをお伝えします。
① 時 間
時間軸には、過去・現在・未来の3つがあります。
この中で、変えられるものと、変えられないものは、なんでしょうか?
- 変えられるものは、現在と未来
- 変えられないものは、過去
です。
つまり、生きづらさを改善できる人は、
「今をどう生きるか、これからの人生をどのように創っていくか」
に着目しています。
一方で、改善しない人は、
「過ぎ去った過去」
に着目します。
例えば、アダルトチルドレンのお悩みを抱える人でも、早く改善していく人は、
今、何をすれば良いのか、
今後の人生を豊かにするには、どんなことをすれば良いのか、
それを教えて欲しい
という姿勢です。
一方で、改善しない人は、
- 過去にこんな嫌なことがあった
- 失敗ばかりの自分はダメだ
と、過去の出来事や後悔を、延々とお話になります。
もちろん、辛さを話すことで楽になる側面もありますので、ある程度、お話になる分には、全く問題ありません。
でも、いつまでも過去にしがみつき、
「今、どうすれば良いか」
という視点が全く欠けている方は、残念ながら、生きづらさを改善することはできないでしょう。
② 対 象
2つ目の変えられるもの、変えられないもの。
変えられるものは、自分と自分の心
変えられないものは、相手や相手の心、社会
です。
生きづらさを改善できる人が着目する点は、明確です。
自分を変えたい
自分の人生を変えたい
自分の心を変えたい
です。
他人や社会ではなく、「自分」に焦点を当てているのです。
「自分自身」は、無限に変えることができます。
ですから、自分を変えようとする人は、どんどんと生きづらさが改善していきます。
一方で、生きづらさを改善できない人は、
「相手の言動や相手の心、社会」
に不満を持ち、これらを何とかして変えようとエネルギーを注ぎこみます。
でも、他人も社会も、変えることができないものです。
ある一部分は変えることができる場合もありますが、ほとんどは、変えることが不可能です。
何とか相手を変えよう変えようとしても、その努力は徒労に終わりますから、
ますます欲求不満がたまって、メンタルはどんどん下降していきます。
生きづらさ改善とは、真逆の方向に進むのです。
「自分自身」を変えようとしているか、
「相手・社会」を変えようとしているか、
しっかりと自分に向き合ってくださいね。
③ 意 識
3つ目は、意識です。
変えられる意識は、「発展させる思考(行動化)」
変えられない意識は、「自然と生じる想い・感情」
です。
例えば、カッコいい男性を目にして、
「あの人、ステキだなあ」
という想いが自然に生じ、嬉しい気持ちになる、
これは変えることができません。
「ステキだなんて、思うものか!」
と頑張っても、自然と生じてきてしまうのです。
「ふっ」と生じてくる想い、それに伴う感情は、変えることができませんから、事実として受け止めるしかないのです。
一方で、
「ステキなあの人に、自分を好きになってもらいたい」
と考えることは、思考を膨らませ、装飾させ、発展させています。
更に思考を膨らませると
「では、告白しよう!」
と行動にもつながっていきます。
このように、「ふっ」と生じた想いや感情から、どんどん膨らませ、発展させていく思考は、
自分でコントロールすることができるものです。
もちろん、どんな行動を取るかも、自分で選ぶことができます。
仕事でミスした時。
「やってしまった!怒られるかも」
などの想いが生じ、不安や恐怖心などが出てくるでしょう。
これは、自然で生じてくるものですから、変えようがありません。
でも、その後で、
- また、自分はミスしてしまった、自分は失敗だらけだ
- 過去も怒られたから、あんな風に、今回も怒られるかも
- 人に迷惑をかけてしまった、こんな自分は会社に必要ない
- どうせ自分は、何をやっても上手くいかないんだ
などと、膨らませ、発展させる思考は、いくらでも変えることができるのです。
生きづらさを改善するには、この、
「膨らませ、発展させる思考と、それに伴う行動」を変える必要があるのです。
でも、多くの人は、変えられるものに目を向けないで、変えられないもの、
「自然にふっと生じた想いや、それに伴う感情」
を変えようとします。
何とか、ネガティブな思いや感情が出ないように、出ないように頑張るのです。
でも、これは、無駄な努力です。
ネガティブな想いや感情は、誰でも一瞬、「ふっ」と出てきてしまうです。
それを、どう料理するかが、生きづらさ改善のコツなのです。
ま と め
変えられるもの、変えられないものを、表にまとめます。
あなたは、どれに着目していますか?
考えてみて、くださいね。
変えられる | 変えられない | |
時間 | 今から (現在・未来) |
今まで (過去) |
対象 | 自分 自分の心 |
相手や、相手の心 社会 |
意識 | 発展させる思考 (行動) |
自然に浮かぶ想い ・感情 |