アダルトチルドレン改善の落とし穴

 

数回カウンセリングを受けられた方が、先日、こんなことをおっしゃられていました。

 

今まで、親の影響で、今の自分が出来上がっていると、考えていました。

例えば、

  • 自信が持てない
  • 対人関係がうまくいかない

のは、「親のせい、親の育て方のせい」だと思っていたのです。

 

でも、それは違いました。

たしかに、親や、育てられ方によって、大きく影響は受けていたと思います。

でも、自信が持てなかったり、自己肯定感が低かったり、対人関係が上手くいかなかったのは、

単に、

  • 自分はダメな人間だ
  • どうせ、自分にはできない

などと、自分が「思い込んでいた」だけでした。

 

  • 自分はできる
  • 自分は大丈夫だ、信じてあげよう
  • 対人関係が上手くできようができまいが、自分の価値は変わらない

このように、考え方を変えるだけで、自信がつき、
「あるがままの自分で良いのだ」と、自己肯定感が高まること
分かったのです。

 

親のせい、上司のせいなど、誰かのせいにしているうちは、苦しみは増すばかりで、

「問題は、自分の考えにある。
考え方さえ変えてしまえば、楽に生きられる」

ということを、実感することができました。

 

お聞きしていて、「山を越えられたな」と、とても嬉しくなりました。

実は、アダルトチルドレンの方の多くが、

「アダルトチルドレン」

という言葉、概念に縛られて、かえって苦しんでしまうのです。

 

 

「アダルトチルドレン」の本当の意味

アダルトチルドレン とは、

何らかの問題がある家庭に育った為に、
心に傷を残したまま成長した人

などと、定義されます。

 

心の傷は、生きづらさを生む「価値観・考え方のクセ」を作り出します。

 

例えば、子供の頃、「親と違う意見を言うと、怒られた」という経験を重ねると、

  • 自分の意見は、言ってはいけないのだ
  • 自分の意見を言うと、人から怒られる、否定される

などと、不適切な価値観・考え方のクセを作り出します。

そうなると、人に対して、自分の意見を言うことができなくなり、
いつも我慢してストレスが溜まったり、人が怖くなったりします。

 

つまり、

「アダルトチルドレンの生きづらさは、
生まれ育った環境から培われた、
不適切な価値観・考え方のクセ によって生じている」

ということです。

 

でも、多くのアダルトチルドレンが、生きづらさをの原因を、
親や、育てられ方」と、間違って捉えてしまいます。

そうではなく、

 

自分で作ってしまった
「不適切な価値観・考え方のクセ」が、
生きづらさの原因

 

なのです。

 

この本質を忘れてしまうと、

  • 自分が苦しいのは、親のせいだ
  • 自分が生きづらいのは、育てられ方に問題があるのだ

と、本当の原因以外のことに着目して、いつまでたっても、問題解決ができなくなるのです。

 

 

インナーチャイルドを癒しても、生きづらさは改善しない

アダルトチルドレンの改善の為に、

  • インナーチャイルドを癒しましょう
  • 子供の頃に受けた傷を癒しましょう

という方法が取られることがあります。

 

私の所にも、何年もインナーチャイルド療法を受けながら、なかなか改善しなくて、いらっしゃる方が多いです。

 

癒しというのは、気持ちが良いものです。
ですから、インナーチャイルド療法をしているうちは、やりがいを感じたりします。

でも、改善は、なかなか難しいでしょう。

 

なぜなら、生きづらさの原因は、

「不適切な価値観・考え方のクセ」

だからです。

心の傷を癒しても、価値観・考え方が変わっていなければ、
生きづらさが改善しないのは、当然のことです。

 

 

改善の為に、本当にすべきこと

生きづらさを改善するには、

  • 親など、人や環境のせいにするのではなく
  • 心の傷を癒すことに、エネルギーを注ぎ込むのではなく

 

「どんな価値観・考え方のクセが、自分を苦しめ、追い詰めているか」を、きちんと明確にして、

「不適切な価値観・考え方を変える」ために、努力をする必要があります。

 

その為には、「自分の心」と向き合っていく必要があります。

そして、大切なことは、

間違った原因探し・原因追及をしない

ということです。

 

  • 人の顔色をうかがってしまうのは、親がいつも怒っていて、親の顔色を見ていたからだ

こんな風に、原因を子どもの頃にさかのぼって考えているうちは、問題解決は遠いです。

 

過去にさかのぼるのではなく、

  • 人の顔色をうかがってしまうのは、
    「何か言うと、怒られてしまう」
    という、考え方のクセがあるからだ

と、今現在の、心の動きに着目すれば、改善していくのです。

 

アダルトチルドレンの生きづらさを改善したい方、

人や環境のせいにしていないか、

間違った原因探しをしていないか、

ぜひ、チェックしてみて下さいね。