感情は選べない!
カウンセリングをしていると、よくこんな話をお聴きします。
- 両親は、すごく酷いことをした訳では無く、キチンと衣食住を提供してくれたのだから、感謝したい
(でも実際は、感謝できないばかりか、何か恨みがましい気持ちがある。こんな感謝できない自分はダメだと自己否定) - 人からプレゼントをもらったら、喜びたい。
(でも実際は、喜ぶどころか、「こんなのいらないな」と迷惑に感じる。素直に喜べない自分ダメだと自己否定) - やりがいのあることを見つけて、人生ポジティブに生きたい
(でも実際は、やりたいことが全然わからない。やりたいことが無い自分は、劣っていると自己否定) - 楽しい気分でいたい
(楽しい気分になれない自分はダメ) - 人に思いやりの気持ちを持ちたい
(思いやりの気持ちを持てない自分はダメ) - 喜怒哀楽がハッキリしている人が羨ましい
(ハッキリしない自分はダメ) - 何とかして、不安を感じないようにしたい
(不安を感じる自分はダメ) - 子供やパートナーに、すぐ怒りをぶつけてしまう。どうして怒ってしまうのだろう
(怒る自分はダメ) - いつまでも、恨みや憎しみの感情を抱いていたくない。
- 悲しい感情は見たくない
- 孤独感は嫌なものだ
ようするに、皆さん、
「こんな感情(ポジティブ感情)を味わいたい」
「こんな感情(ネガティブ感情)は見たくない」
と、現実離れした願望を持ち、それが叶わず、苦しむということですね。
「現実離れ」と書きましたが、
- こういう感情が出て欲しい
- こういう感情は出ないでくれ
という願望は、絶対に叶いません!!!
なぜなら、感情は、好き勝手に選ぶことが、できないからです。
感情は、「無常」であり、「無我」
感情を好き勝手に選べないのは、感情には、「無常・無我」という性質があるからです。
無常とは、現象が変化するということ。
無我とは、「変化するということは、実体が無い。固定化されたものが無い」ということ
例え、願い通り、人に感謝の気持ちが持てたとしても、相手がちょっと厳しいことを言えば、
感謝は吹っ飛び、落ち込みや悲しみ、恐怖、敵意などの感情が生じるでしょう。
楽しい気分になっても、長くは続きません。
逆に、ネガティブ感情も、長くは続きません。
そのうち、ポジティブ感情が生じます。
感情とは、そういう、実体が無い、あやふやなものだという事です。
実体が無いから、
「こういう感情が出なさい」
「こういう感情は出てはダメです」
と、命令することもできません。
命令しようにも、命令できる相手(実体)など無いのです。
でも、このことを、ほとんどの人が理解していません。
知識で知っていたとしても、心で分かっていない、体感していないのです。
だから、
「感謝したいのにできない(できない自分はダメ)。どうしたら感謝できるのだろう」
「どうしたら、不安が出ないようになるのだろう」
と、現実離れした悩みを、抱いてしまうのです。
心で理解する(体感する)
どんなに頭で理解しても、知識を蓄えても、心で理解しないと分かったことにはなりません。
つまり、「体感」が必要なのです。
ある感情が出たら、それを観察し続けて下さい。
すぐに変化し、消えていくのが分かるでしょう。
強すぎる感情だと巻き込まれやすいので、まずは、弱い感情で試すのがおススメです。
例えば「退屈感」が生じたら、それを観察する。
観察するうちに、退屈感は消え、心は穏やかになります。
こういう訓練を、何度も何度も行います。
すると、
「感情は無常だ。生じては変化し、消えていくんだ。
自分が命令したからといって、思い通りに感情が出る訳でもない。
生じてくるもの、変化するもの、消えていくものをを放っておけば、何も起こらず、心は平穏でいられるのだ」
という事が、分かってきます。
これが、頭・知識で理解するのではなく、心でわかる・体感するという事です。
こういった訓練のことを、「瞑想」と言います。
次回のセミナーでは、この「無常・無我」を詳しく解説し、生き方を変えるヒントをお伝えします。
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